2020年も残り1ヶ月半となり、来年の確定申告への準備を始められている方も多いかと思います。
今回は、確定申告の対象でもある「医療費控除」についてご紹介します。
医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間で支払った医療費が、10万円を超えている場合、翌年の2月16日~3月15日までの確定申告で申告することで、超えた分の金額が控除の対象となり、所得税の一部が還付されるという制度です。
つまり、支払った医療費がいくらか返ってくるとういうことです。
また、10万円以下でも対象となることがあります。
総所得金額が200万円未満の場合、10万円ではなく、総所得金額等の5%を超えていれば、医療費控除を受けられます。
(例)総所得金額150万円の場合
150万円×5%=7万5千円
→1年間の医療費が7万5千円を超えた分が控除の対象になります。
対象となるのは、自分自身またはご家族のために支払った医療費です。
ご家族の場合、全員の1年間の医療費が10万円を超えていれば、控除の対象となります。
還付される金額は、所得金額が多いほど大きくなります。
共働きのご夫婦で、医療費を合算して申告する時は、所得が多い方が確定申告をする方がお得です。
また、親元を離れて生活をしている学生さんも、仕送りを受けているならば、ご家族で生計を立てていることになりますので、ご家族でまとめて申告する事が可能です。
歯科治療では、
・虫歯や歯周病治療、親知らずの抜歯などの保険診療
→こども医療費助成制度(マル乳・マル子の医療証)をご利用の場合は、自己負担が発生していない為、対象外となります。
・保険適用外の自費診療(セラミックなど)
・矯正治療
・交通費
上記が控除の対象となります。
☆矯正治療
矯正治療を受ける人の年齢や矯正の目的などから矯正治療が必要と診断された場合、医療費控除の対象となります。
・お子さんの矯正治療は、発達段階の歯並びや顎の正しい成長を促すために必要と考えられている為、問題はありません。
・大人の方の矯正治療は、審美性、美しさを求めるための矯正治療は、対象外となります。
(その為、ホワイトニング治療も対象外です。)
しかし、噛み合わせが悪いために食事がしづらい、歯並びに問題があるため発音に影響を及ぼしているなど、機能的な問題があるといった診断の場合は、控除の対象となります。
南千住小児歯科矯正歯科では、機能的な改善を目的として矯正治療をされる患者様には、無料で診断書をお渡ししますので、ご相談ください。
医療費控除の申告には、「領収書」が必要です。大切に保管しましょう。
☆交通費
通院時に電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合、控除の対象となります。
領収書の発行がないので、いつ、どの公共交通機関をつかい、いくら交通費がかかったのかなど細かく記録しておきましょう。
当院の診察券にも来院日時が記載されていますので、ご活用下さい。
しかし、通勤、通学で利用している定期券の範囲内で通院されている場合は、対象外となりますので注意が必要です。
・小さなお子さんの通院の付き添いでも、親御さんがしっかり症状を伝える必要がある為、控除の対象となります。
〈対象外となる交通費〉
・車での通院によるガソリン代、駐車料金、高速料金
・タクシー代
利用する交通手段やその他の条件によって医療費控除の対象になるかは、判断が難しい点もありますので、ご不明点がある際は、お住まいの管轄の税務署へお問い合わせ下さい。
申告に必要なもの
・源泉徴収票
・医療費控除の明細書
・確定申告書
・マイナンバーなどの本人確認書類
・印鑑
*平成29年分の確定申告から領収書の添付は、不要になりました!
医療費や通院交通費などをリスト化した「医療費控除の明細書」を提出することで申告方法が簡略化されました。
また、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」があれば、明細書の記入がより簡単になります。
ただし、税務署から確認を求められる可能性があるので、5年間の領収書の保管が必要とされています。
国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、医療費控除の明細書のほか確定申告書も簡単に作成することが出来ます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm
税務署の窓口でも必要書類は受け取ることが出来ます。
申告方法は、3つあります。
①お住まいの管轄の税務署に行く
②税務署へ郵送する
どこの税務署に提出しても良いという訳ではありませんので、必ずお住まいの住所を管轄している税務署を調べる必要があります。
③インターネットから申告する
e-Taxというサイトから申告します。24時間いつでも申告が可能です。
しかし、マイナンバーカードを取得していることやICカードリーダーが必要であったりといくつか条件があります。
矯正治療を始められた方は医療費控除を受けることを是非オススメします!
医療費控除は、過去5年間の医療費が対象となりますので、過去の医療費が分かれば一緒に申告出来ます。(平成28年分までは領収書の添付が必要です。ご注意ください。)
もし今年分の確定申告を忘れてしまっても、来年分の医療費として申告が出来ますので、ご安心ください。
患者様から「矯正代を一括で払って医療費控除を申告するのと分割払いで払ってその都度申告するのはどちらの方がお得なのか?」というご質問を受けましたが、年内でお支払いされる場合には、どちらでも同じです。しかし、年をまたぐと、控除の10万円がある為に、所得税率(患者様の収入によって異なります)と住民税率分、損をします。
ただ、お支払いをされる所得税と住民税以上は、戻ってきませんので、ご注意ください。
実際にいくら還付されるのか、インターネットでシュミレーションすることも出来ますので気になる方は、ご利用ください。
http://www.hahoo.jp/foundation/expense-simulator.html
確定申告は、難しいイメージを持たれる方も多いかと思いますが、お金が戻ってくるチャンスですので申告内容をご確認の上、ぜひご活用ください。
南千住小児歯科矯正歯科 M.S